2020秋に奈良県下北山村でスタート!リワークのノウハウを活かした、うつの方向け宿泊型転地療養サービス「ムラカラ」

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宿泊型転地療養サービス「ムラカラ」_アイキャッチ

東京と仙台の計5センターでうつからの復職・再就職支援サービス「リヴァトレ」を提供するリヴァ。同社では今年11月(予定)より奈良県吉野郡下北山村(人口約900人)で新たなサービス「ムラカラ」の提供を開始するべく、準備を進めています。このサービスの概要や立ち上げる理由について、担当スタッフである森田と青木に聞きました。(※取材は2020年2月に実施しました)

森田沙耶
東京都八王子市出身。2014年リヴァに新卒で入社後、リヴァトレ市ヶ谷にて復職/再就職コーディネーターに。2017年より下北山村プロジェクト(現:ムラカラ)のリーダーも務めている。
青木弘達
埼玉県秩父市出身。2011年に代表の伊藤とともに株式会社リヴァを創業し、取締役に就任。主な担当業務はサービス企画開発と支援員育成。公認心理師/社会保険労務士(有資格者)。
※下北山村※
奈良県の南東部に位置し、北部及び東部は奈良県上北山村、西部は奈良県十津川村、南部は和歌山県北山村、東南部は三重県熊野市に接する。一部は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれ、村内の約半分が吉野熊野国立公園に指定されている。宿泊型転地療養サービス「ムラカラ」_01

サービス概要

せわしない都会を抜け出して 
多様な生き方を体感してほしい

――サービスの概要を聞かせてください。

森田 奈良県下北山村での生活やプログラムを通じて、うつ病などの精神疾患で休職・離職された方に、復職や再就職に向けた準備をしていただくためのサービスです。いま想定している対象者は、都市での生活に違和感を感じていて「いまの状態を何とかしたい」と望んでいる方ですね。

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ムラカラの運営を担当する森田(左)と青木

――都市で感じる「違和感」とは?

森田 東京などでせわしなく働いていると「時間の流れが速いな」と感じることがありますよね。毎日、満員電車で通勤して、自分のための時間をなかなか持てない…そんな暮らしの中で生じる「生きづらさ」と考えています。

青木 例えば都会では、何をするにもたくさんのお金がかかりますよね。住居費も高いので、家賃や住宅ローンのために働いているような感覚になる人もいるでしょう。当然ながらストレスが溜まるけども、そのストレス解消にもまたお金がかかる。

そんな日々の中で虚しさや焦燥感を覚えている人に、下北山村ならではの“豊かさ”に触れて「都会の暮らしだけがすべてではないんだな」「違う生き方もあるんだな」ということを体感してもらいたいんです。

森田 下北山村にはいろいろな理由で移住された方がいたりして“多様な生き方が許容される空気”を感じられますよね。

青木 都会は多様な人が暮らしているはずなのに、どうしても似たような人が集まりやすいじゃないですか。例えば会社でスタッフを採用する際も、都会だと応募者が多い分、選別できてしまうから、結果として似たタイプの人の集団になってしまったり。

一方で人口が限られる地方だと、良くも悪くも色んな人と関わらざるを得ないから、多様性に富んだ人間関係が生まれやすいんです。そういった環境の中で、自分が抱える違和感と向き合い、改めて将来の生き方について考えていただきたいと思っています。

なぜ下北山村に?

村との出会いはワークショップ 
スタッフの提案を県や村の方も歓迎

――下北山村との出会いは?

森田 リヴァではかねて地方でのサービス展開を検討していたんです。そんな時に隔月刊誌「ソトコト」(木楽舎)と下北山村役場が共催するワークショップが行われることを知り、私が個人的に参加しました。

内容は「二泊三日の日程で現地調査を行なって『自分と村が繋がる方法』についてプレゼンする」というもの。現地調査では村を回りながら、様々な魅力についてご紹介いただきました。

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――初めて下北山村を訪ねた際の印象は?

森田 その日は大雪で、一面が真っ白…その光景がすごく綺麗でした。「前鬼ブルー」と呼ばれる、前鬼川の美しい色も印象的でしたね。

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青みを帯びた美しい前鬼川の流れは「前鬼ブルー」と称される

それに、案内してくださった村役場の担当者さんもすごく気さくで素敵な方でした。

すっかり魅了された後、東京に戻ってから2週間後にプレゼンを行い、奈良県庁や村役場の方に「リヴァトレの利用者さんが下北山村に短期間宿泊し、生活体験できたら面白いのでは」という提案をしたんです。それが2017年2月のことでした。

すると5月に県庁の方が「改めて話したい」と上京してきてくださったんです。先方としては「移住までは難しくとも、関係人口を増やしたい」とのことで。それで7月に、リヴァトレ利用者さんを対象とする、職業体験を主目的とするプログラムを実施することに。

その結果、参加者の皆さんから好評をいただいたので、新たなサービスとしての提供を検討することになったのです。

1日の過ごし方

自然の中で「生きる力」が養える 
ムラカラ利用者の“1日の過ごし方”

――ムラカラを利用される方の、現地での過ごし方についてお聞かせください。

森田 日中はプログラムに参加して、夜間はシェアハウスで生活することになります。

青木 プログラムについて考えるためのベースとしているのは、文部科学省が学習指導要領の中で掲げる「生きる力」を構成する3つの要素、「知」「徳」「体」です。

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これらを身に付けたり、取り戻したりすることを目指しつつ、共同生活を送ることでコミュニケーション力を養っていただきたいと考えています。

――リヴァトレ(リワーク)に近いようにも思えますが?

青木 確かに「豊富な支援経験をもとに、精神疾患の方の復職・再就職をサポートする」という点では同じです。しかし、都市部にあるリワークとの違いもあります。特に大きいのは「周囲の環境」と「宿泊型であること」の2点ですね。ムラカラでは、豊かな自然の中で体を動かしながら健康を取り戻していくことができますし、朝起きてから眠るまでのすべての時間を使って、復帰に向けた土台をつくり直すことができるんです。

また、村の方々と関わりながら、村で起こるリアルな問題の解決に向けて取り組むことで実践力も養えます。

――なるほど。では利用者さんの1日の過ごし方を、より具体的に教えてください。

森田 まず朝は7時に起床し、朝食を摂ってから、スタッフが運転する車で移動します。行き先はムラカラのセンターの日もあれば、畑など野外のこともあります。下北山村には休耕地や耕作放棄地が多いので、それらをお借りして野菜を育てる予定です。

青木 農作業はいい運動になりますし、そこで収穫したものは自分たちが食べる食材になります。「何を育てるか」「どんな栄養を摂るべきか」も利用者の皆さんに考えていただきます。

都会ではスーパーに行けば、いつの季節でも同じ野菜が置いてあるじゃないですか。でも野菜には旬というものがあるので、時期によって食べるものも変わってくるのが自然なんです。そんな本来の食のあり方、健康のつくり方を、農作業を通じて一緒に学びたいと思っています。

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森田 11時半頃には作業を終えてセンターに戻りますが、その日の食事当番になっている人は他の人より30分ほど早く戻って、調理を始めていただきます。食事当番はチームを組んで順番に受け持ちますが、その組み合わせや順番も利用者さんに決めてもらいます。

青木 これまで試験的に実施してきた短期プログラムでも利用者さんに食事作りをしてもらったんですが、非常にいいトレーニングになります。料理ってクリエイティブな作業だし、計画を立てて行う共同作業ですから、必然的にかなり密度の濃いコミュニケーションをとることになるわけです。

――昼食後の13時から15時半までは、どんなことをするのでしょう?

森田 その時間で「マインドフルネス」のプログラムや日報の作成などを行います。また、この時間を利用してご自身の課題に対する自主的な取り組みをしていただくこともあります。その後はまた私たちが車でシェアハウスへお送りし、夕食を摂って、自由時間を過ごしていただく。これが平日のオーソドックスな流れです。

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――プログラムを「月〜金」ではなく「火〜土」で提供するのはなぜですか?

森田 土曜日には、このサービスを経て社会復帰した方とオンラインのビデオ会議で触れ合える時間を設けたいと考えているんです。復帰された方から仕事や日々の暮らしについて報告していただく形で、現役利用者とOBOGとの交流を図りたいなと。

青木 ムラカラの利用中と復帰後の生活とでは様々なギャップがあるはずなので、復帰してみて直面した課題などをシェアしていただく。それに対してどんな対処ができるかを、現地の利用者さんやスタッフも交えて一緒に考えていきます。

利用を終えられた方に対しては「新しい生活に順応するまでのサポート」を提供できるし、現役利用者さんにとっては「自分の将来を具体的にイメージする機会」になると思います。

ムラカラで得られるもの

規則正しい生活、第二の故郷…
「宿泊型」だから得られるもの

――利用を検討される方は「利用期間で何が得られるのか」「ビフォー・アフターでどんな変化が期待できるのか」が気になると思います。

青木 まずは規則正しい生活で健康に近付けられるということですね。そして「アサーション」や「集団認知行動療法」「マインドフルネス」といった、ストレスに対処して再発を予防する技術が身に付きます。

都市部とは違う、田舎ならではの暮らし方を体験して、ライフキャリアの幅が広がるということもある。それに人口が千人に満たない村の中という“コミュニケーションの密度が高い環境”で問題解決に取り組みますから、人と関わりながら働くのに必要な実践力も養えるでしょう。

森田 「第二の故郷が得られる」というのもメリットですよね。「ここで元気になれた」という記憶が持てて、将来何かあっても立ち戻れる場所ができることは、大きな財産になると思います。

――過去に下北山村で実施した短期プログラムでは、参加者の方にどんな変化が見られましたか?

森田 村に着いたばかりの頃はすごく硬い表情をされていた方が、帰る頃には笑顔が増えて、すごく表情豊かになっていましたね。これは本当に劇的な変化でした。

青木 村でのプログラムは、体を動かしますし、結果が目に見える…それが大きかったんじゃないでしょうか。例えば、荒地を畑にするのはとても苦労したのですが、綺麗に耕された畑を見たら、働いた実感がダイレクトに感じられました。その後に近くの澄んだ川に飛び込んだときの爽快感ときたら・・・最高でしたね!こういった体験が劇的な変化を生んだのではないかと。

それに朝のウォーキングなど、自然の中でやることは、とにかく気持ちがいいですからね。家族やご近所さんの目もないので、余計なことを考えずに、自分らしく過ごせるということもあったかもしれません。

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――利用者として、具体的にどんな方を想定されていますか?

青木 うつ病などで離職・休職している方で、これからの生き方を模索したい方、地方でのUJIターンに興味がある方には、ぜひ来ていただきたいですね。利用期間中はご自宅を留守にすることになりますから、親元などに暮らす独身の方はより利用しやすいかと。いま利用しているリワークや就労移行支援施設で「しっくり来ない」と感じている方にも良いかもしれませんね。

森田 うつなどの症状が少し落ち着いて通院の頻度も減ってきたけれど「果たして元の生活に戻っていいんだろうか」「何か違う選択肢はないのかな」と思っている方に、選択肢を広げる手段として利用していただけるといいと思います。

住む場所も触れ合う人も…とにかく生活が丸ごと変わって変化の度合いが大きい分、得られるものも多いはずです。もちろん、こちらから「移住しましょう」とか「こういう風に変化しましょう」と押し付けることはしません。自分自身とじっくり対話して、次のステップにつながる何かを見出していただきたい。

私たちにとっても新しいチャレンジとなる、いい意味で“得体のしれないサービス”なので(笑)、興味を持たれた方にはぜひお問い合わせいただき、私たちに疑問や質問をぶつけてください。これからSNSなどで積極的に情報発信をしていきますから、ぜひフォローして、チェックしていただけるとうれしいです!

青木 下北山村は本当に素晴らしい場所ですから、きっとこれまでとは違う世界が見えるはずです。その中で自分の道を探し、踏み出すことを、私たちも全力でお手伝いします。10月からは現地での体験会も実施していく予定なので、そちらもぜひご利用ください。

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公式ページのご案内

ムラカラ公式サービスページはこちら

ご興味ある方は、以下「ムラカラ」サービスページをご覧ください。
【HPリンク】https://www.liva.co.jp/service/murakara

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