「いつもとちょっと違う自分」に出会う体験 ~イキカタサガシ 奈良県下北山村編~

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こんにちは。リヴァトレ事業部の森田です。

昨年からお世話になっている奈良県下北山村で、今年も7月末から8月上旬にかけて生活体験プログラムを実施しました。

本記事では、その取り組みについてご紹介しようと思います。

→ 昨年の取り組みはこちらから

下北山村って、どんなところ?

ブラックバス釣りの名所「池原ダム」

東京からは、なんと7時間の道のり。

品川駅から新幹線で名古屋駅まで行き、「ワイドビュー南紀」にゆられて三重県熊野市へ。そこから1時間、車でくねくねと山道を走り、やっとたどり着きます。

なんで、下北山村なの?
~脱スパイラルを目指して~

民泊裏の用水路。ここを通り抜けると、川遊びスポットが出現。

なぜ、そんなに離れた下北山村でプログラムを実施したのか。

それは、「一歩踏み出すきっかけを提供したい」という思いからでした。

普段、利用者の皆さんは都内のリヴァトレに通いながら、社会復帰に向けた様々なトレーニングを受けています。

日々、自分の課題と向き合う中では

「こんな自分が社会復帰出来るのだろうか?」
「周りの人に比べて、自分だけ遅れを取っている気がする・・・」
「チャレンジしたいけど、不安が先走ってなかなか一歩踏み出せない」

といったネガティブな考えばかりがぐるぐると頭の中を巡り、行動することを躊躇してしまう方も少なくないようです。

そこで、まず一歩踏み出すきっかけとして、「普段とは違う環境」を設定したのです。

環境を変えると、どんな効果があるの?

もちろん、環境を変えれば問題が解決するわけではありません。

しかし、普段の生活に不安が募ってなかなか踏み出せない「いつもの自分」がいるとしたら、場所や環境をガラッと変えることで「いつもと違う自分」がひょっこり、顔を出すこともあるのではないでしょうか。

そして「自分にもこんな一面があるのか」という新たな発見を「特別な環境だったから」と片付けずに、「普段の環境でも、いつもと違う自分でチャレンジできる場面があるのでは?」と考えてみる。

そうすることで“いつもの自分スパイラル”から、少し抜け出す方策が見つけられるかもしれません。

そんな思いから、東京と真逆の環境である下北山村を舞台に、今回のプログラムを企画することにしました。

下北山村でなにしたの?

竹で作った獣害対策用の巨大ドームを移動するお手伝い。竹のドームは、民泊のオーナー主催のワークショップで以前に作製したもの。

7/24〜28(4名)、7/31〜8/4(5名)の2回で計9名が参加。昨年は2名の参加者でしたが、今回は思いのほか(笑)集まりました。

下北山村に到着した当日には、以下のようなミッションが与えられました。

■ 場面設定 みなさんは、首都圏在住のキュレーター(自分なりの視点で情報を選定して発信しする人)です。
友人のススメで訪れた下北山村で、民泊を運営するご夫婦との出会いがありました。 民泊はまだ営業が始まったばかり。
普段、良いと感じたものを周りに発信していることもあり、ご夫婦に使ってもらえるパンフレットを作成できないかと考えました。作成すれば、友人のつながりでパンフレットを置いてくれるお店も首都圏にいくつかありそうです。
■ ミッション 「手にとってもらえる」
「読んで行きたくなる」
「民泊を運営している方の人柄が伝わってくる」
そんな“下北山村の民泊を紹介するパンフレット作成”をお願いします!

参加者の方々は、このミッションを見て、ザワザワ・・・

皆さん、少しリフレッシュしたい気持ちもあったようで、プログラムっぽさを感じて、ちょっと落胆してました(汗)

「聞いてないよ~」という声も聞こえてきました。

はい、言ってません。気を取り直していきましょう~!

「・・・・。」

そんな感じで下北山村でのプログラムがスタートしました。

パンフレットを作成するために、この4泊5日をどう使うかは自由です。民泊の方にヒアリングしたり、チームで時間の使い方を話し合いながら行程を組み立ててもらいました。

良い意味で想定外

「スポーツ公園」に流れる小川をじっと観察している様子。何が見えるのでしょうか。

想定外だったのは、利用者さんの時間の使い方。私たちがプログラムを企画している段階では、自由に使える中3日は、半日をアクティビティ、残りの半日をパンフレット製作と資料作成に時間を割くと予想していました。

しかし、実際は違いました。3日間のうち、2.5日は資料製作に手をつけることなく、思いっきり村を楽しみ、村のことを知るために時間を使っていたのです。

川遊び

民泊のオーナーさんが畑にしたいと思っている土地をゼロから開墾

下北山村の特産品「春まな」

「春まな」を使った創作料理

もう、すでにこの時点で脱スパイラル出来ているのではないか・・?

この記事を書いて改めて思いましたが、参加者の皆さんは、下北山村を全力で楽しむ中で「いつもと違う自分」に出会っていました。

さらに言えば、東京から7時間もかかる奈良県下北山村に行こうと決断し、申し込んだ時点で、いつもの自分から脱出できていたのだと思います。

現地で突然ミッションが与えられた時は「ちょっと遊びたかったよ~」という落胆の顔や、グループワークが苦手な方の「え・・・」と凍りつく顔も見受けられましたが、実際に始まってみると一生懸命に、そして楽しそうに取り組む姿がありました。

そんな様子から「いつもの自分」が持っていた、「こうあるべき」というような決めつけや「自分なんて・・・」という劣等感が少し変化したように見受けられたのです。

下北山村に行って、どうだった?
~これから、どうする?~

下北山村から帰って1か月経った8月末、振り返りのワークを実施しました。

体験中や帰京直後は、様々な出来事がいっぺんに起きたことで消化不良の状態。そのため、日常生活に戻る中で体験を消化した頃に、下北山村での気づきを今後にどう活かすか、改めて考える時間を設けました。

下北山村での体験を振り返る話し合いの中で挙がった言葉をいくつかご紹介します。

「何事においても自分自身が楽しむことがベースになると再確認した」
「あんなに不安に思っていたプログラムでも、行ってみたら何とかなった。こんな感じで行動を起こしていけば、何とかなるのかもしれない」
「やりたいと思い描いてもチャレンジする前に、諦めていたことに気づいた。下北山村の人のようにやりたいと思ったことを挑戦してみたい」

他人と共同で生活することによるストレスを感じた部分もあったようですが、ストレスと感じること自体を「自分の課題」として把握し、「どうしたら、自分が生きやすくなるか」を考える上での材料として活かそうとしている参加者もいました。

今回のチャレンジが、次なる一歩を踏み出すきっかけになったら嬉しいです。

おわりに
~「いつもの自分」をちょっと変えてみる~

参加者の方々が変化できた要因には、日常を忘れてゆったり過ごせる大自然や、下北山村の方々の温かい人柄など、東京から遠~い土地で「いつもと違う環境」を体験できたこともあるでしょう。

しかし多くの人にとって、そうした日常と異なる環境に身を置くことがなかなか難しいというのも、実情だと思います。

環境は変えられないものの、「いつもの自分スパイラル」から脱出したい…と思ったとき。ちょっとだけ、いつもと違う自分になって動いてみるのもいいかもしれません。

例えば、いつも自分にダメ出ししてしまう人は「大切な人が自分自身を責めている時にかけてあげたい言葉」を、自分にかけてみる。

何かにつけて「上手くいかないんじゃないか」と不安になりがちな人は、「1週間以内に確実に出来る」と思うことを1つ設定してチャレンジしてみる。

最初の一歩は、重くてしんどいかもしれませんが、まずは小さな歩みから自分を動かしてみると、次に続いていくこともあるものです。

その、一歩一歩をリヴァトレでは応援していきたいと思っています。

(森田)

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