【公認心理師・青木がお悩みに回答】Q. 仕事を続けられるか不安。人と関わることが苦手

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長年メンタルヘルスケアに携わり、リワーク「リヴァトレ」の責任者を務める青木弘達が、“メンタル不調×社会復帰”に関する質問にお答えします。

青木弘達

公認心理師/株式会社リヴァ 取締役

小売業のマネージャーとして店舗運営から人事労務まで幅広く従事。退職後に社労士事務所を開業し、企業向けの就業規則作成やメンタルヘルスケアセミナー、埼玉労働局との契約による個人向けカウンセリングなど豊富な実績を持つ。2011年、株式会社リヴァの立ち上げに参画。現在はリワークサービス「リヴァトレ」の責任者を務める。

 

ご質問

現在、就職活動中ですが、本当に仕事が見つかるのか、もし決まったとしても、仕事を続けられるかのかが心配です。

仕事が長く続いたことがなく、人間関係が悪いところだと、それを耳にしただけでも不安になります。

また、人のキツイ言葉も苦手です。個人のプライバシーに関わることを聞かれたり、詮索されたりするのも嫌です。人と関わることが得意ではなく、人を選んでしまいます。

「仕事が長く続いたことがなく」と仰っているので、お仕事を見つける力はすでにお持ちなのかなと推察いたします。

そのため今回のご相談では、仕事を見つけること以上に「その仕事を続けられるのか」という点の方が、より大きな不安になっているのではないかと感じました。

仕事内容よりも、人間関係で苦しむということは、比較的多くの方が経験されます。ただ今回のご相談では、「人間関係が悪いところだ」と耳にしただけでも、不安が膨らんでしまうとお聞きし、実際に起きていること以上に「想像の中で不安が強くなりやすい状態」にあるのかもしれません。

人間の脳は、危険を想像することで予防線を張ることができますが、その働きが行き過ぎると、どこに行くときにも怖くなってしまい、行動自体が難しくなってしまうこともあります。
そのため、今後は不安そのものをなくすというよりも、不安とどう付き合っていくのかをトレーニングしていく必要があるかもしれません。

具体的な方法としては、まず専門家を頼るのがおすすめです。現在クリニックに通院されているのであれば、主治医の先生やカウンセラーに相談することも一つの選択肢になります。

そのなかで、認知行動療法を受けてみることをおすすめします。認知行動療法は、捉え方である「認知」と、不安を感じた後の「行動」の両方にアプローチしていく方法です。

まず、認知への働きかけでは、何らかの出来事が起きたときに、それをどのように受け取っているのかを見ていきます。もしかすると、不安を助長するような考え方をしてしまっているかもしれません。その受け取り方を少し修正できないかと考えていくのが、認知へのアプローチです。

一方で、行動への働きかけでは、不安を感じたときに取っている行動を見直していきます。不安を感じたときの行動が、結果的にさらに不安を強くしている可能性もあるため、その行動を変えていくのが行動へのアプローチです。

このように、認知と行動の両面から取り組むことで不安を小さくしていき、不安を抱えながらでも行動できる自分を目指していきます。

まず主治医の先生やカウンセラーに「人間関係への不安とうまく付きあっていくために認知行動療法を受けてみたい」と相談するとよいと思います。また、地域の相談支援事業者やオンラインサービスでも受診できる場合があります。

そして、そうした付き合い方を実践・練習する場として、リヴァトレのような「就労移行支援事業所」を利用することもおすすめです。職場ではありませんが、人との関わりが発生する場所です。信頼できる相談相手を一人確保した上で、あえて少し不安を感じる環境に身を置き、不安を感じたときにそれをどう消化するか試す、実験の場として使うことができます。

そうした経験を重ねることで、少しずつ不安との付き合い方が見えてくるのではないかと思います。

弊社が運営している就労移行支援事業所「リヴァトレ」ではコミュニケーションに関するプログラムがあります。その一つが、アサーションです。

アサーションとは、自分も相手も大切にするコミュニケーションのことです。

最初は、比較的話しやすい方や気の合う方と交流を持つところから始め、慣れてきたら少し苦手だと感じる方とも、少しずつコミュニケーションを取ってみてください。

このように段階的に関わりを広げていくだけでも、十分トレーニングになります。

実際の職場では、こうした練習をするのは難しいこともあります。そのため、就労移行支援事業所のような場所を、よい意味で練習の場として使っていただくのも一つの方法です。

最後に、今後の仕事の選び方として、「あまり人と関わらない仕事を選んだ方がよいのではないか」という考えも出てくるかと思います。たしかに、その方がストレスはかかりにくいかもしれませんが、どのような仕事であっても、人との関わりを完全になくすことは難しいのが現実です。また、想像によって不安が強くなりやすい状態だと、どのような環境でも不安を感じる可能性があります。

もちろん、自分の限界を超えるような負荷をかける必要はありません。主治医とも相談しながら、現時点で人との関わりが大きな負担になる場合には、人と関わる頻度が少ない仕事を選ぶことも一つの選択肢です。

一方で、最初から自分の可能性を狭めすぎるのではなく、サポートを受けながら少しずつ不安との付き合い方を練習していくことも、今後の選択肢を広げることにつながるのではないかと思います。

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aoki
この記事の監修
青木弘達
株式会社リヴァ 取締役/公認心理師

小売業のマネージャーを務めた後、社労士事務所を開業。企業向けの就業規則作成やメンタルヘルスケアセミナー、埼玉労働局との契約による個人向けカウンセリングなど豊富な実績を持つ。2011年、株式会社リヴァの立ち上げに参画。現在はリワークサービス「リヴァトレ」の責任者を務める。

raiko
この記事の監修
来迎成美
株式会社リヴァ リヴァトレ事業部
復職・再就職コーディネーター/精神保健福祉士

1998年岩手県生まれ。東北福祉大学を卒業後、2021年に新卒社員としてリヴァへ入社。現在はリワーク支援施設「リヴァトレ仙台本町」で、プログラム提供に携わる。自分らしく感じる瞬間は「道に迷っている時」。

 

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