リヴァトレが理想とする「リワーク」の形。その“2つのポイント”についてご紹介します。

7,274 views

リヴァトレ事業部の中川です。

うつ病で休職した方などが復職に向けて利用する「リワーク」。利用を検討されている人の中には「主治医や産業医から勧められてリワークの存在を知ったけど、いまひとつよく分からない」という方もいるでしょう。

この記事ではそうした方々の参考にしていただけるよう、私たちがリワーク事業(リヴァトレ)で大切にしていることと、その具体的なポイントについてご説明します。(一般的なリワークに関しての詳しい説明は、こちら

 

リワークの利用期間をどう捉えるか 
目指すべきは「ただ戻る」だけじゃない

そもそも「リワーク」(Re-Work)とは、ある程度まで心身の状態が回復したメンタルヘルス不調者が「復職に向けたウォーミングアップを行うこと」であり、主な目的は「再発リスクを軽減し、職場復帰へと無理なくスムーズに移行すること」です。

リワークに取り組む期間についてはいろいろな捉え方があると思いますが、リヴァトレでは「過去と現在を見つめ直し、これからの働き方と生き方を見直すチャンス」だと考えています。そしてそのチャンスを活かして、より自分自身に正直な人生へ進むことをお手伝いする、それこそがリヴァトレが考えるリワークの役割です。

こうした考えを端的に表現しているのが、リヴァトレが掲げる「戻ろう、ではなく、進もう。」というスローガンです。

うつ病などにより仕事から離れると、焦りもあって「早く元の仕事に戻りたい」と考える方が少なくありません。しかし、これまでの働き方や生き方が一因となって心身に不調を来したとするなら、ただ「戻る」だけでは、また同じようなことを繰り返す可能性が高いといえるでしょう。

そこでリヴァトレでは復職も「選択肢の一つ」としつつ、様々な働き方や生き方の選択肢を広げ、よりその方らしい道を歩んでいけるよう、検討することをお手伝いします。その結果、復職を選ぶ方もいれば、新たに転職を選ぶ方もいます。

もちろん安易な転職をお勧めはしませんが、本人が迷い、悩み、そして進もうと決めた選択肢をリヴァトレでは応援していきたいのです。

 

 

リヴァトレが思い描くリワークのあり方 
ポイントは「利用期間」と「段階的負荷」

それでは少し具体的に、リヴァが理想とするリワークのあり方について、2つのポイントをご紹介したいと思います。

(1)3か月以上の利用期間を推奨

リワークの利用を検討される方にとって、特に気になることの一つは利用期間でしょう。「来月には復職したい」というふうに、短期での復職を望む方も少なくありません。しかし私たちは、最短でも3か月は利用することをおすすめしています。その理由は「集団認知行動療法」などのリヴァトレのプログラムをひと通り受け終わるまでに、約3か月を要するからです。

 

また、単にコンディションを整えるだけではなく、「復職後の勤務に耐えうる体力を取り戻す」「休職に至った経緯、要因を分析する」「仕事におけるストレス対処法を身に付ける」といった十分な準備をするには、どうしてもそれなりの時間を要します。

実際にリヴァトレでは3~6か月利用された後に復帰される方が最も多くなっています。

 

もちろん、休職期限が近い方や経済的な事情で短期間の利用を希望される方のご相談もお受けしていますので、復職を急がれている方もお問い合わせください。通所ペース(通所頻度)は「週5日、毎日通うのは難しい」という方でもご利用いただけます。例えば2日(一日の所要時間は半日ほど)から通所をスタートすることも可能です。

 

(2)あえて段階的にストレス負荷をかけていく

リヴァトレでは、ある程度体調と生活リズムが整ってきた方や、職場復帰が近い方に対して、段階的にストレス負荷をかけていくことを推奨しています。

 

これらはその一例です。
・通勤訓練(実際の出勤・帰宅の時間帯での通勤練習)
・職場での苦手な場面を想定した対処の練習(リヴァトレのプログラム内)
・休職に至った経緯や要因を分析してレポートにまとめる

 

スタッフや主治医とも相談しながら、意図的に職場で起こりうるストレスフルな場面を作り出します。そして「現時点でどのくらいうまく対処できるのか」、不十分だとしたら「今後はどんな工夫をすると良さそうか」ということを考えながら、できている部分の認識や課題克服力の向上に役立てていきます。

このように「あえて段階的にストレス負荷をかけていくこと」は、他のプログラムで学んできたストレス対処法を試し、どのくらい身に付いているかを確認するとともに、気付きや自信を得る機会でもあります。

 

さいごに

うつ病で休職したばかりの時期や、まだうつ症状が強く表れていたりする場合には、当然ながら復職を焦ることなく、まずは療養に専念することが大切です。

でも「体調も安定してきたし、復職に向けて進んでいこう!」と自然と思えるようになってきたら、主治医など信頼できる人に相談したりしながら、リワークの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

リヴァトレでは見学や体験だけでなく、相談のみでの来所や、メール・電話によるお問い合わせも受け付けていますし、ご請求いただければパンフレットもお送りしています。疑問を持ったり、利用するか迷う場合など、まずはお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

(お問合せはこちら

 

この記事をシェアする
この記事を書いた人
中川 洋

株式会社リヴァ リヴァトレ事業部 精神保健福祉士/産業カウンセラー
上京後新卒で入社したベンチャー企業で営業を担当するも、仕事で心身をすり減らしていく自身や同僚に疑問を感じ、
「働く人のメンタルヘルス」に興味を持つ。退職して産業カウンセラーの資格を取得した後、株式会社リヴァに入社。

現在は同社の社会復帰支援施設であるリヴァトレ高田馬場のセンター長として、職場復帰支援(リワーク支援)に携わる。

トップ
トップ