著者が語る、執筆の理由と込められた想い。『メンタル不調者のための 脱うつ 書くだけ30日ワーク』(日本能率協会マネジメントセンター)

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2019年12月、日本能率協会マネジメントセンターより『メンタル不調者のための 脱うつ 書くだけ30日ワーク』(以下、『30日ワーク』)が刊行されました。

メンタル不調によって休職した人が、再発予防に取り組みながら復職を目指すためのノウハウが詰め込まれたこの一冊。執筆の経緯などについて、著者であるリヴァトレのスタッフ・長谷川亮に聞きました。

長谷川 亮 株式会社リヴァ リヴァトレ事業部
公認心理師/キャリアコンサルタント
バイオサイエンス業界の技術営業などを経験した後、リヴァトレの利用を経てリヴァに入社。現在は再就職支援施設「リヴァトレ市ヶ谷」のスタッフとして、プログラム提供やキャリアコンサルティングに携わる。

改めて、本の概要について教えてください。

30日ワーク』は、メンタル不調によって休職された方が、再発予防に取り組みながら復職を目指すための、書き込み式ワークブックです。内容はリヴァトレで提供しているリワークプログラム(※)をもとにしています。本を読み進めながら様々なワークに取り組むことで、自然に職場復帰の準備が整い、再発を予防するためのスキルや考え方が身に付くようになっているんです。

※「リワーク」(Re-Work)とは、ある程度まで回復したメンタルヘルス不調者を対象に、復職に向けたウォーミングアップを行うことをいいます。さまざまな復職支援プログラムを通じて再発リスクを軽減し、療養生活から本格的な職場復帰へ、無理なくスムーズに移行させることが目的です。

(参照:リワーク施設って何ですか? https://www.liva.co.jp/magazine/547

プログラムを本にまとめるにあたって、工夫されたことや意識されたことは?

メンタル不調の方は「長い文章が読むのが難しい」といわれているので、できるだけ読みやすいものにしたいと考えました。そこで、メンタル不調での休職から復職を目指す「サトルさん」と、その取り組みをサポートするカウンセラー「赤木さん」(いずれも架空の人物)の“会話形式”にしたのです。ストーリーを追っているうちに、ワークの目的や概要をつかめる仕組みになっています。また、より具体的なイメージを持ってもらえるよう、各ワークに詳細な記入例を入れました。

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この本をつくることになったきっかけは?

リヴァトレではこれまで、累計で826(20201時点)の方の社会復帰のお手伝いをしています。多くの利用者さんがプログラムに真摯に取り組み、着実に元気になっていく姿をたくさん目の当たりにする中で「プログラムをもっと多くの人にお届けしたい」「お住いのエリアなど、様々な理由で施設に通うことができない方々にも元気になってもらいたい」という想いが募っていたのです。それに、安心して復職するためのメソッドが広く知られるようになることは「自分らしく生きるためのインフラをつくる」という、リヴァの企業ビジョンにも通じます。

一方で、産業医の佐々木規夫先生、西埜植規秀先生(いずれも東京中央産業医事務所に所属)と、弊社代表の伊藤で「地方にいる方など、リワーク施設に通えない人も再発予防に取り組める、そんな環境構築が必要では」と以前より話していたことも、きっかけの1つになりました。お二人はメンタル不調者の再発予防や復帰に対して精力的に取り組まれており、リヴァでは以前から懇意にしてくださっています。佐々木先生には『30日ワーク』の監修も担当していただきました。

佐々木 規夫 東京中央産業医事務所

産業医/精神科医
産業医の実務のエキスパートとして多くの企業の健康管理に従事する。メンタルヘルス対策では、体制作りから事例対応までの予防活動を担う。(東京中央産業医HP

周囲からの反応は?

おかげ様で、たくさんのよい反響をいただいています。中でも驚いたのは、現在リヴァトレを利用している方から「退所してからの復習のために買うよ」と声をかけていただいたことです。本の内容はリヴァトレで提供するプログラムとほぼ同じなので、実際に利用されている方が購入されるのは意外だったんです。それだけ、再発予防・社会復帰に向けたプログラムの効果を実感していただけているんだなと、嬉しく思いました。

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この本をどんな方に活用してもらいたいと思いますか?

まずは、メンタル不調で悩んでいる方や休職されている当事者の方。そして、そうした従業員を抱えている企業の人事担当者や産業医の皆さんにも、手にとっていただきたいですね。そのために『30日ワーク』をテーマとしたセミナーの開催や、より効果的にワークに取り組めるような補足情報の提供にも取り組んでいきたいと考えています。

ゆくゆくは、メンタル不調を抱えているか否かに関わらず、多くの方にこの本でご紹介しているワークに取り組んでいただきたいんです。そうすれば「人生が少し楽しく、楽になるんじゃないか」と思います。

最後に『30日ワーク』に興味をお持ちの皆さんにメッセージをお願いします。

リヴァトレのセンターは現在、都内と仙台市にしかありません。また、弊社以外の施設も含めて、リワークに通いたくても通えない方がたくさんいらっしゃることでしょう。

そういった方々にはぜひこの本を活用して、前向きな復職を目指していただきたいです。そして『30日ワーク』が、より自分らしい生き方や働き方を見つけるきっかけになれば幸いです。

 

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