農業に触れて自分らしい人生へ!リヴァ×MITUで実施「脱うつプログラム」

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農業に触れて自分らしい人生へ!リヴァ×MITUで実施「脱うつプログラム」

こんにちは、リヴァトレ仙台本町スタッフの宮崎です。

リヴァトレ仙台は昨年度(2020年度)より、仙台市宮城野区で農業経営をしている株式会社MITUさん(以下、MITUさん)との協働をスタートしました。この記事ではその内容や理由についてご紹介します。

プログラムの内容は?

リヴァトレ仙台では昨年度、MITUさんの農園での農作業プログラムを2回開催し、参加者であるリヴァトレ利用者さんたちはサツマイモと落花生の収穫作業を行いました。今年度は6月から月に1回のペースで、落花生の種まきから収穫までの一連の作業をお手伝いさせていただいています。

また、MITUさんにはリヴァトレの通常プログラムでお世話になるだけでなく、農業に興味を持った利用者さんの職場体験実習(企業インターン)も受け入れていただいています。

実際に参加したある利用者さんは、2週間~1か月間にわたってMITUさんの指導を受け、肥料散布や定植、収穫、袋詰めといった作業に取り組みました。中には職場体験実習の経験を通して、農業に自分らしい生き方・働き方を見出し、就農を希望されるようになった方もいます。

 

支援に農作業を取り入れる理由は?

「畑から元気を届ける」株式会社MITU×リヴァの協働について2

私たちが休職者・離職者の支援に農業を取り入れている理由、それは農業に「うつの症状の改善」と「働き方や生き方の幅を広げる」という二つの効果が期待できるからです。

うつ症状の原因はセロトニン*1不足や「ストレスホルモン」といわれるコルチゾール*2の増加が原因の一つと考えられていますが、「太陽光や土いじりはセロトニンの分泌を増やす」といわれています。JA全中と順天堂大学による実験では「農作業を行った人々は唾液中のコルチゾールが減少した」*3ということが実証されています。

また、農作業で体を動かすことは体力の回復につながり、ストレス対処能力を高める効果も期待できます。そして、農業体験はそれまで見えなかった自分らしさや新しい働き方や生き方に気付くきっかけにもなり得ると考えています。

オフィスワークでうつを発症した方が社会復帰を目指す際、「農業」という選択肢は縁遠いものかもしれません。しかし、農業を趣味として取り入れたり、職業として選択することで、食の安全や農業人口の減少という社会課題の解決にも貢献できる、魅力ある職業・生き方といえます。選択肢の一つとして考えることで、健康的で自分らしい未来への視野が広がることも期待できます。

我々リヴァトレスタッフの仕事は、従来の働き方や生き方に悩む方に対して、自分らしく生きる道を見つけるきっかけを幅広く提供し、そして見つけた道へ踏み出すためのお手伝いをすることです。農業はそのきっかけの一つで、上記のように大きな可能性を秘めていると考えています。

*1 セロトニン・・・脳内の神経伝達物質の一つで、他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがある。
*2コルチゾール・・・副腎皮質から分泌されるホルモンの一つであり、生体にとって必須のホルモン。過剰なストレスを受け続けると、コルチゾールの分泌が慢性的に高くなり、これがうつ病、不眠症などの精神疾患、生活習慣病などのストレス関連疾患の一因となることが分かってきている。
*3 農業共同組合新聞 ー 体験型農園でストレス軽減 初の科学的実証-全中と順天堂大

農作業プログラム体験者の感想

実際にプログラムに参加された方の声をご紹介します。

「夢中になっている自分を見つけた」50代男性 うつ病

悩んだ末に「このチャンスはもう無いかも」と思い、参加してみました。参加してよかったと思います。初めて訪ねた畑での活動でしたが、気づけば夢中になっている自分がいました。土をいじり、落花生を掘り出して、久しぶりに「楽しい」と感じることができました。

「嫌な疲れではなく、心地よい疲れに変化した」20代女性 身体症状症

落花生の収穫体験をして、体力的には確実に疲れたのに、嫌な疲れから心地よい疲れに大きく変化しました。収穫した落花生がどんどんカゴの中にたまっていくことで達成感も得られたので、心地よい疲れに変わったのかなと思いました。

株式会社MITUとは?

農作業プログラムや職場体験実習の受け入れなど、私たちの支援を支えてくださっているのが、「畑から元気を届ける」をコンセプトに仙台市宮城野区で農業を営んでいるMITUさんです。

なぜ「畑から元気を届ける」がコンセプトなのか。それは代表の佐藤さん自身がかつて、「交通事故にあっていろいろな症状に悩まされ絶望感を抱いていた時に、野菜作りをきっかけに心が満たされ、体が元気になった。」という体験があったからだそうです。その後の人との出会いや震災の経験を通して、自分がそうであったように他の人にも畑から元気を届けたい。それがMITUさんのコンセプトになっています。

そうしてMITUさんは本業として安心安全な野菜作りをしながら、障害や生きづらさを抱えた方の挑戦の場としてのソーシャルファームを目指して活動されています。

農作業プログラムの今後の展望

昨年度は2回開催した脱うつプログラムですが、今年度は6回開催を予定しています。利用者さんが農業に触れられる機会をさらに増やすことで、より多くの方に自分らしく生きるきっかけを提供したいと思っています。

農業を体験したことをきっかけに、就農を目指すもよし、ストレス対処として土いじりを趣味にするもよし、「やっぱりオフィスワークが好きだ」と気付くもよし。大事なのはいろいろな体験を通して、自分が何を感じ、どう思うかではないでしょうか。その中に「自分らしさ」や「自分のありたい像」のヒントが隠れているかもしれません。

リヴァトレではそんな皆さまの自分らしく生きるをお手伝いしています。働き方や生き方に悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
宮崎 隼 リヴァトレ仙台 復職・再就職コーディネーター

山形県鶴岡市出身。自然体験活動指導者資格保有。
自然体験プログラムの運営や、YAMAGATA DESIGN株式会社では農業の生産管理を経験。2020年に仙台に転居し、(株)リヴァに入社。自身の経験から農業の可能性を感じ、農作業プログラムを立ち上げた。

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