自分らしく生きるための選択肢を増やしたい ~「NPO法人 農スクール」との連携~

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こんにちは。リヴァトレ事業部の中川(写真右)です。

リヴァでは「自分らしく生きるためのインフラをつくる」という企業ビジョンの実現を目指し、社外の方々と連携した取り組みにもチャレンジしています。

そんな取り組みの中から今回は、NPO法人農スクールとの連携についてご紹介します。

「農スクール」とは?

農スクールは、ホームレスや生活保護受給者、ニートの若者たちに、"農"を通じた様々なプログラムの体験を提供する取り組み。

やりがい」や「仕事観」、「自己肯定感」を得ながら農業のイロハを学んでもらうことで、農業界への就労機会を生み出していきます。

代表・小島さんとの出会い

私が農スクール代表の小島希世子さん(同左)と出会ったのは、都内で開かれたとある講演会でした。

小島さんの講演を聞いて、自ら農業に関わりながら、いきいきと「農福連携」に取り組んでおられる姿に、強い興味を持ったのです。

「リヴァトレ利用者さんに、自分らしい生き方のモデルケースの一つとして小島さんの考え方や価値観を知ってもらえたら」と思い、後日「農スクール」の農園がある藤沢市に出向き、連携について相談させていただきました。

すると、農業に興味があるリヴァトレ利用者さんに「農スクール」に参加してもらってはどうかという話になり、インターン先として連携がスタートしたのです。

参加された利用者さんの声 ― 40代男性

就農を目指して約3ヶ月間・全10回の「農スクール」に参加した利用者さんに話を聞きました。

Q、参加にあたって不安はありませんでしたか?

リヴァトレの「農作業プログラム」でしか農業には関わったことがなかったので少し不安はありました。

でも参加してみると、未経験者がほとんどでしたし、人数も10名弱だったので打ち解けるのに時間はかかりませんでした。

同じ作業を行っていますし、農業という共通の話題もあるので、話すきっかけには困らなかったです。

Q、どんな活動を行ったのですか?

初めは全員でじゃがいもの植え付けを行いました。作業を黙々とするのではなく、「じゃがいもは乾燥に強いから畝の深さはこのくらい」など、きちんと背景まで伝えてもらえて

就農を意識していたので、基礎知識も身に付けられたことはありがたかったです。

一日の最後には、「振り返りの時間」があります。そのおかげで、目的意識を持って作業する癖がつきましたね。

初日はなんとなく話を聞いていたので、最後の振り返りの時に何も記入ができなくて。

その経験から、教わったことはメモを取るようになったり、何のために行っているのか考えながら作業するようになりました。

Q、就農を目指す上でも学びのある時間だったのですね。

そうですね。農業に興味はあったものの、正直に言うと漠然としたイメージしかなくて。

でも、小島さんをはじめとする農スクールのスタッフさんたちが実際に農業に関わっている方々ということもあって、就農への様々な選択肢を教わりました。

新規就農相談センター経由でのインターンを紹介してもらうなど、農業法人で働くことを視野に入れて仕事を体験したり、情報を集めたり。

農業を仕事にすることをリアルに考えられるようになりましたね。

Q、他に何か気づきはありましたか?

働きたくても働けない理由を抱えた人たちが参加していて、お互いに近い境遇だからこそ抵抗なく話せたことも多かったと思います。

一概に「引きこもっていた」とは言っても、どんなきっかけがあったのか、どう乗り越えてきたのかなど様々で、一括りにして認識できるものではないなと気づけましたし、自分との向き合い方について参考にもなりました。

Q、大変なこともたくさんあったのでは?

農薬を使っていないので、とにかく雑草取りが大変でした。

でも、自分は草を抜くという単純作業の中でコツを掴んでやり方が工夫できる楽しさも見出せたり、後ろを振り返ったら一列きれいになっている達成感を味わったり、苦労だけでなくやりがいも感じられましたね

あとは、ネギやきゅうり、オクラなどの野菜から1人1種類ずつ選んで育てることができるのですが、自分は難易度の高いスイカを選んでしまって(笑)。

楽しみに成長を見守っていたのに芽も出なくて、とても悔しかったと同時に自然の厳しさを痛感しました。

Q、その分、農業の面白さも改めて実感したそうですね。

毎週成長を見守っていた我が子のような野菜たちが無事収穫できた時は感動しました。そして、本当に新鮮で美味しいんですよね。

農薬や有機肥料をほとんど使わずに栽培しているので、味が濃くて野菜そのもののうまみを感じられるのはもちろん、口にするときの安心感がありますし。

農業法人で働いてみて実力がついてきたら個人経営で農薬を使わない農業の形にチャレンジしてみたいと思っています。

Q、最後にこれから農スクールに参加される方へメッセージをお願いします!

澄んだ空気の中で、太陽の光をいっぱいに浴びて活動するだけでも、とても癒されるものです。農スクールを通じて、農業に関わることが楽しいと思えるだけで、今後の自分の選択肢となるはず

就農をゴールにした取り組みではないので、農業に関心のある人に限らず、働くきっかけや感覚を取り戻したいという人にも参加してもらえたらと思います。

「農スクール」代表・小島さんより

人は、自分への自信を失ってしまったり、生まれ持っている自分の長所が発見できていなかったりすると、長所を活かせる職場を見つけにくくなります。

農スクールでは、野菜を育て上げることを通じて、自分への自信を取り戻したり、長所を発見する場づくりを目指しています。

講座の中では、青空の下で仲間と会話をしながら身体を動かしていくのですが、参加されたリヴァトレ利用者さんは、周りの方に優しく話しかけてくださっていました。一緒に受講された方々にとっても心強い存在だったと思います。

畑は、自然に触れるので、癒されたりもします。

また、収穫の喜びをみんなで分かち合える点も畑のいいところなので、興味がある方は、ぜひ気軽な気持ちでご参加ください。

さいごに

何度か「農スクール」の農園に行って、農作業の様子を見て感じるのは、小島さん自身がとても農業が好きで楽しんでいるということです。その姿が「農スクール」の参加者の方々にも伝わっているのだと思います。

農業という選択肢を知ることはもちろん、小島さんという自分らしく生きている人と出会えるということも「農スクール」の魅力の一つだと思います。

今後もこのご縁を育てていければと思います。

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この記事を書いた人
中川 洋

株式会社リヴァ リヴァトレ事業部 精神保健福祉士/産業カウンセラー
上京後新卒で入社したベンチャー企業で営業を担当するも、仕事で心身をすり減らしていく自身や同僚に疑問を感じ、
「働く人のメンタルヘルス」に興味を持つ。退職して産業カウンセラーの資格を取得した後、株式会社リヴァに入社。

現在は同社の社会復帰支援施設であるリヴァトレ高田馬場のセンター長として、職場復帰支援(リワーク支援)に携わる。

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