リワーク支援機関選びに悩んでいる方へ。作成者が語る「仙台リワーク支援マップ」作成の理由と込められた想い。

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こんにちは!リヴァトレ仙台本町の来迎(らいこう)です。

うつにより休職・離職されて「この先どうすればよいのか分からない」「リワーク()という言葉をよく耳にするけど、どこを利用すればよいのだろう?」といった不安や疑問を抱えている方は少なくないと思います。ネット上の膨大な情報から適切なものを選んで参考にするのもなかなか難しいですよね。

そのような方々にお役立ていただければと、弊社では関係機関の協力を得て、20216月に「仙台リワーク支援マップ」という冊子を発行しました。この冊子では、休職者が支援を受けられる仙台市内の職場復帰支援機関をご紹介しています。

仙台リワーク支援マップを企画した背景や込められている想いなどについて、作成を主導した東北地区事業責任者の吉田に聞きました。

 「リワーク」(Re-Work)とは、ある程度まで心身の状態が回復したメンタルヘルス不調者が「復職に向けたウォーミングアップを行うこと」であり、主な目的は「再発リスクを軽減し、職場復帰へと無理なくスムーズに移行すること」

(参照:リヴァトレが理想とする「リワーク」の形。その“2つのポイント”についてご紹介します。)

 

作成の背景・きっかけ

仙台リワーク支援マップを作成しようと思った理由は?

私たちは20194月に仙台での1号店となるセンター(現・リヴァトレ仙台花京院)を立ち上げましたが、その準備を行う中で痛感したのは、私がそれまで勤務していた東京と比較して「休職者を支援する機関がとても少ない」ということでした。また既存の機関は、利用を希望する人がインターネットに散らばっている情報から探さない限り、なかなか辿り着けなかったのです。

そうした状況を目の当たりにして以来、私は常に「どうしたら支援を必要としている人に情報が届きやすくなるのだろうか?」と考えるようになりました。そんなある日のこと、リヴァトレの認知度を高めるための営業活動を通じて知り合った産業医の先生が、企業の産業保健スタッフを中心とする方々に民間リワーク機関について紹介をする機会を設けてくださったのです。そこでアビリティーズジャスコさん、スイッチ・センダイさんという民間の同業者と出会うことができたので、さらにリワーク支援を提供している行政機関にもお声掛けし、仙台リワーク支援マップを作成することにしました。

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仙台リワーク支援マップ活用のメリット

仙台リワーク支援マップを活用すると、どのようなメリットが得られますか?

まず1つ目は、休職者の方が仙台のリワーク支援機関の情報を一度に手に入れられることです。これまではリワーク機関の情報がまとまっている資料がなかったため、利用を希望される方はインターネットで情報を探すしかありませんでした。このマップを活用していただければ、休職者の方の負担はかなり減るでしょう。

2つ目は、医療機関や企業の皆さんが休職者の方によりよい形で支援機関を紹介できることです。例えば「ここに行ってください」と1つの機関だけを紹介した場合、ご本人にマッチしないケースもあるかもしれません。実際、精神科医の先生からもそうした事例について伺ったことがあります。その点、仙台リワーク支援マップを活用すれば、複数の選択肢を提示することができるので、休職者の方にとってより納得のいく機関選びにつながりやすくなると思います。

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他の機関と協働する意味

仙台リワーク支援マップによって他の機関の認知度が上がり、リヴァトレの利用希望者が減ってしまう可能性もあると思いますが、その点はどう考えていますか?

もちろん、自社のサービスを利用していただきたいという思いもあります。しかし、自分たちの支援やサービスが「全ての方にフィットする」「万能である」とは思っていません。リワーク支援を求めている人が、いくつか支援機関を見た上で、ご自身に最も合った機関を選択してほしいのです。困っている方が、自分に合った支援機関を選択できることは「自分らしく生きるためのインフラをつくる」というリヴァのビジョン実現に繋がると考えています。

それに他の機関とも協働して仙台リワーク支援マップを作成することにより、「顔の見える関係」が構築できて、一緒に勉強会を催したり、利用者さんの役に立つ情報を共有したりできるようになれば、結果として、仙台市全体の休職者に対する支援が充実していくでしょう。そして、リワーク支援の有効性に対する認知が広がり、市場が拡大し、結果として自社のサービスを利用してくださる方が増えたら良いと考えます。

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込められている想い

仙台リワーク支援マップを作成する上で苦労したことは?

仙台に出店してまだ2年しか経っていない新参者のリヴァトレが、他のリワーク支援機関に協力をお願いすることについて「おこがましいのではないか」と躊躇するような気持ちもありました。しかし、新参者だからこそ「必要な人に情報が行き届いていない」とか「リワークを活用するメリットが地域の医療機関等に理解されていない」という現状に気付くことができました。そして「もっと早くリワークを知りたかった」という多くの利用者さんの声を聞いていたので、行動せずにはいられなかったのです。私たちからのお誘いに快く応じてくださった関係機関の方には本当に感謝しています。

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吉田からのメッセージ

うつにより休職すると「早く職場に戻りたい」と焦ってしまうこともあるかもしれません。しかし、再発予防策を身につけ、納得感をもって前に進んでいくことを望まれるなら、リワーク機関を活用されることをおすすめします。リワーク機関によって支援の特徴が異なりますので、仙台リワーク支援マップをご覧いただき、十分な検討を行った上で、ご自身に合った機関やスタッフと出会っていただきたいです。

デザインを担当した菅野からのメッセージ

各支援機関の皆さんからいただいた情報を、できるだけ分かりやすく整理することを意識しました。情報を判別しやすいようにイラストを多用し、次のアクションに繋げるべくHPURLの代わりにQRコードを掲載するなどの工夫を施しています。手に取っていただいた方に少しでもお役立ていただけたら嬉しいです。

 

今回作成した仙台リワーク支援マップは、精神科や心療内科のクリニック、行政機関の窓口、図書館等に設置させていただく予定です。

仙台リワーク支援マップはこちらからダウンロードしていただけます。

仙台リワーク支援マップ.pdf

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この記事を書いた人
来迎成美 株式会社リヴァ リヴァトレ事業部

復職・再就職コーディネーター/精神保健福祉士
1998年岩手県生まれ。東北福祉大学を卒業後、2021年に新卒社員としてリヴァへ入社。現在はリワーク支援施設「リヴァトレ仙台花京院」で、プログラム提供に携わる。自分らしく感じる瞬間は「道に迷っている時」。

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