仙台発の新しい就労定着支援のカタチ「リヴァトレNEXT」がスタート

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仙台発の新しい就労定着支援のカタチ「リヴァトレNEXT」がスタート

リヴァトレの利用を検討されている方の中には「社会復帰できたとして、その後の就労は継続できるだろうか?」「独力でも通所中と同じように目標設定や振り返りはできるだろうか?」という不安を覚える方も少なくないと思います。

そこでリヴァトレ仙台では、2020年6月より復職や再就職をされた方のための就労定着支援サービスを開始しました。さらに2022年より本サービスを「リヴァトレNEXT」と名付け、社会復帰後の「自分らしく生きる」をより多面的にサポートしています。今回の記事では仙台エリアのリヴァトレNEXTについてご紹介します。

※リヴァトレ東京エリアは内容が異なります。

就労定着支援とは

就労定着支援とは、障害福祉サービスの一つで、就労移行支援等の福祉サービスの利用を通して再就職・復職された方に向け、就労継続に必要な支援を実施するサービスです。
支援の内容としては「面談等を通した日常生活面及び社会生活面の課題の把握」や「企業や関係機関等との連絡調整」が挙げられます。

  • 利用期間 就労後7カ月目から最大3年間
  • 手続き お住まいの市区町村の窓口にて受給者証の申請が必要です
  • 料金 ひと月あたり0~3,600円(企業などと連絡調整を行った場合に600円程度増額になることがあります)

就労定着支援のサービスが、就労後7カ月後から始まるのを不思議に思われる方もいるかもしれませんが、ご安心ください。就労して6カ月間はそれまでに利用していた施設で面談等の支援を受けることができます。6カ月までの支援を「職場定着支援」と呼んでいます。こちらは役所等での手続きなしで受けることができます。

リヴァトレNEXTとは

リヴァトレ仙台では、上記の職場定着支援就労定着支援の2つを合わせてリヴァトレNEXTと呼んでいます。就労移行支援から継続する形で、就労定着のためのサービスをお届けします。

仙台発の新しい就労定着支援のカタチ「リヴァトレNEXT」がスタート

 

リヴァトレNEXTの特徴は「グループワーク」

リヴァトレNEXTの特徴は、面談や職場との連携・調整だけではなく、月1回のグループワークを行っていることです。

リヴァトレでは「グループダイナミクス」(集団における相互作用)を大切にしています。自分と同じようなことで悩んでいる方とのやりとりに励まされたり、他者との違いから自分の特徴を知ったり、参加者同士の相互作用から新たな気づきが生み出されます。この励ましや気づきにつながるグループの力を、リヴァトレNEXTを利用される方にも引き続きご提供したいと考え、月1回平日の夜に90分のグループワークを行っています。

なお、当初は対面のみで行っていたグループワークを、現在はオンラインでも提供しています。これによって、センターから離れた職場の方でも参加できるようになり、好評をいただいています。

就労定着の課題とリヴァトレNEXTのグループワークの内容

疾患によって休職された方が就労定着のプロセスで直面する課題として「基礎体力・持続力(27.1%) 健康(医療)管理(20.5%) 症状の安定(20.5%) 精神的なタフさ(20.1%)」という4つの要素が挙げられています

※ 2018年3月 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 採用後障害者の職場復帰の現状と対応に関する研究

基礎体力・持続力の向上や健康管理や症状の安定については、これまでもリヴァトレで支援してきました。一方で精神的なタフさについては「そもそもどんなことだろう?」「私たちは利用者さんがタフになるために応援できるのか」と考えた末、心理的柔軟性という概念に置き換えてみることにしました。

仕事をしている中では、誰しも思うようにいかないことがあるものですよね。それに正面から向かっていってポキッと折れてしまうのではなく、捉え方やその後の対処や行動を工夫してしなやかに乗り切る力、それが心理的柔軟性と考えていただければ良いと思います。
上記の就労定着の課題を乗り越えるため、リヴァトレNEXTでは以下の3つのワークを行っていくことにしました。

心理的柔軟性を高めるワーク

ご自身にとって大切な「価値」に沿った「行動」をとるよう促すことで、思い描く未来へ向かうことをサポート。職場での困りごとやご不安などに、現実的に対応できる心理的柔軟性(心のしなやかさ)を育てます。

CS(コーピングシート)ブラッシュアップ

新たな環境でのチャレンジや行動にストレスはつきもの。日常生活のストレスに対するコーピング(対処)方法を振り返り、リヴァトレ利用時に作成していたコーピングシートをブラッシュアップします。

※コーピングシートとは、リヴァ独自の「自分自身の疾病の症状やストレスに対する反応を段階ごとに分析して対処方法を明確化したシート」のこと。“自分自身の取扱説明書”のようなものです。

テーマトーク

仕事や日常生活の悩み、困りごとを仲間とシェアして深めていきます。振り返りや対話を通じて、自分では思いつかないような視点、ヒントが見つかることもあります。

その他

不定期ではありますが、自分自身の価値観を探っていくグループワークや、森林浴など野外でのイベントも実施予定です。

グループワークのねらい

仕事で忙しいと、振り返りの機会はなかなかないものです。ただ、振り返る機会がないと日々やらなければいけないこと、目の前の困りごと、それに伴うネガティブな感情で頭がいっぱいになってしまいがち。

そんな時にグループワークを「自分を客観的に見つめる機会」や「自分が目指す方向を改めて認識する機会」、「目指す先にたどり着くために日々どんな取り組みをしていくとよいか考える機会」として、活用いただけたらと考えています。

利用者さんの声

グループワークに関して、以下のような声をいただいています。

  • グループワークで他の利用者さんと話す中で、働く『あるある』を共有できた。メンタル不調を経た社会復帰の経験者同士が話す機会は他にはないので貴重な機会です。
  • リヴァの取り組みをしていると前向きな気持ちになりやすいので、離れずに続けていきたいです。
  • リヴァトレ利用後に長期間継続して就労されている先輩の声を聴くことで励みになります。

まとめ

グループワークで見つかった課題について個別の面談で取り扱い、職場での具体的な対処について生活面にどのような工夫ができるか等一緒に検討していくこともできます。必要であれば職場と連携して解決策を相談していくことも可能です。リヴァトレ仙台では、グループワーク、面談、連絡調整等多面的に社会復帰後の「自分らしく生きる」をサポートしていきます。

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この記事を書いた人
武石 純子 リヴァトレ事業部 精神保健福祉士・公認心理師

精神保健福祉センター、精神科クリニック、精神科病院での勤務を経て、2019年に株式会社リヴァに入社。就労移行支援施設「リヴァトレ仙台」にて、心理系プログラムを中心にサービス提供を行っている。

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