「もう働きたくない」新卒から2ヶ月目で休職した私が、「立ち止まってよかった」と思えるまでー20代女性・気分変調症体験談【メンタル不調からのリライフストーリー】

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今回ご紹介するのは、社会人生活をスタートさせたさなか、入社2か月目で気分変調症の診断を受け、二度の休職を経験したニシノさんの体験談です。

「同期から置いていかれてしまう」「もっとやらなきゃ」。そんな焦りから自分を追い込んでいたニシノさん。

しかし、二度の休職を経て自分に合った働き方を見つめ直したことで、「とりあえず朝、会社に行けたら100点」と、働くことへのハードルを少しずつ下げていきました。

「一回止まって、自分と向き合って良かった」。そう語る本人が、一人で抱え込んで心を閉ざすのをやめ、周囲に相談しながら「自分自身の健康」を最優先に毎日を過ごせるようになるまでの歩みを伺いました。

入社2か月目に、職場で涙
会社でも自宅でも、逃げ場のない息苦しさ

大学でITを専攻していたこともあり、そのまま就職先もIT業界を志望しました。就職活動中に新型コロナウイルスが流行しはじめ、内定をいただいたのはパンデミックが起きる直前のこと。

その影響で、同期とは画面越しにしか会えず、職場の雰囲気を掴めないまま、社会人生活がスタートしました。

入社後1カ月は、リモートと出社を組み合わせた研修に参加し、配属先が決まった5月からは毎日出社することに。

いざ職場に行くと、眩しいほど明るい蛍光灯のついた部屋に、パリッとしたスーツを着た大人たちが並ぶ独特の緊張感がありました。オンラインとのギャップもあり、私の神経は常に張り詰めていたと思います。

当時は実家暮らしでしたが、家族とのコミュニケーションも良好とは言えず、本来なら心身を休めるはずの自宅ですら、息苦しさがありました。

中でも一番のストレスだったのは、同期との距離感です。ランチは一人でゆっくり休憩したいのが本音でしたが、「みんなで食べよう」という誘いを断ることができない。

入社したてで関係性を作る大事さは頭では理解しつつも、距離感が近すぎる環境に苦手意識を感じていました。

やがて、頭痛や腹痛といった身体的な不調が出始め、限界を迎えたのは5月の最終日でした。配属先での研修最終日だったのですが、仕事中に堪えきれずに泣いてしまって。

「もうダメかもしれない」と、帰りの電車でも涙が止まらなくなりました

翌朝、ベッドから起き上がることができなかった私は、会社へ「仕事に行くのが難しいです」と電話をしました。

人事に産業医面談を希望したところ、幸いにもその日のうちに予約が取れて。産業医から「すぐに病院へ行ってください」と言われ、医師から告げられた診断名は「気分変調症」でした。その場で、まずは1カ月の休職が決まりました。

株式会社リヴァ本社にて

株式会社リヴァ本社にて

「同期から置いていかれてしまう」
罪悪感が渦巻く、休職から復職までの日々

休職直後の1〜2週間は、光や音などの刺激を一切受け付けず、文字を読むことすらできませんでした。カーテンをぴっちり閉めた布団の中で、ただひたすら眠るだけの毎日。

新卒で入社してまだ2か月。会社のことを何も分からないまま休職してしまったことが、ただただ申し訳なく、「同期から置いていかれてしまう」という焦りも渦巻いていました。

その後、会社の復職プログラムを活用して、少しずつ外へ出る練習を始めます。ちょうど夏だったので、夕方の涼しい時間だけ外出してみることからスタート。その後は、図書館などで簡単な文字を読んだり、パソコンを使った作業の練習をしたりしました。

図書館での滞在時間を長くし、始業時間の9時に出社できるよう、通勤訓練にも取り組むうちに、元気が7〜8割まで戻った感覚がありました。

そうして、3か月の休職期間を経て、復職の日を迎えました。

配属されたのは別の部署で、1日4〜5時間の時短勤務からスタート。少しずつペースアップしていけるありがたみを感じる反面、中高生と同じ時間に電車で帰ることにどこか罪悪感を覚えてしまいます。「もっとやらなきゃ」という焦りが、常に頭にありました。

そのまま10ヶ月ほど働いた頃、フルタイムへの復帰と同時に、異動をすることになりました。 新しく上司になったのが、非常に厳しい完璧主義の方だったのです。

細かくマネジメントされ、指摘もとにかくストレート。まだまだ業務経験が浅く、教えてもらわなければ分からない段階で、同じチームの同期と比較され、明らかに扱いに差をつけられたのは、とにかくつらいものでした。

3ヶ月ほど耐えていたのですが、ある日の査定面談が決定打に。「あなたはこれができていない」「もっとこうしてほしい」と、一方的に言われ、「これは再発してしまうかもしれない」と自分でもわかり、すぐに病院に行きました。

医師から「重くなる前に早く来てくれてよかった」と言われたときは、少しホッとしたのを覚えています。

「正直、もう働きたくなかった」
2度の休職を経て、働く意欲を取り戻すまで

2回目の休職期間は、約1年に及びました。 前回休職したときは、「健康的な生活を送ること」だけに焦点を当てていたけれど、同じ過ごし方をしても、また繰り返してしまう。だから、今回は何か違うアプローチが必要だと考えていました。

そんな時、両親から「こういう施設があるよ」と勧められたのが、「リヴァトレ」でした。以前、リヴァが運営するメディアの記事を読んだことがあったので、名前は知っていました。

利用してみようと思えたのは、スタッフの皆さんが優しかったことと、「戻ろう、ではなく、進もう。」というキャッチフレーズに惹かれたからです。

「正直、もう働きたくない」というのが本音だったのですが、結果的にリヴァトレを約10か月利用する中で、疾病と付き合いながら、自分に合った働き方と出会うことができました。

例えば、ストレス対処に関するプログラムでは、「無性にジャンクフードを食べたくなるときはストレスのサインだから、湯船に浸かって早く寝る」「気圧変化で頭痛がするときは、アプリで予測して、常備薬を携帯する」など、自分の不調のきっかけと対処法を具体的にまとめていきました。

エネルギー切れの状態でも実践できる、ハードルの低いセルフケアをストックする習慣は復帰後にも役に立ちました。

また、私の性格に最も合っていたのが、活動記録の「数値化」でした。

手帳やスプレッドシートを使い、日々の睡眠の合計時間や、中途覚醒の回数を細かく記録し始めました。目覚ましで起きられず朝食を抜いた日や、夜に寝落ちしてしまった日は「三角」と、手帳の隅にマークをつけていく。

可視化することで、自分の傾向を客観的に把握し、不調のサインを逃さずに気づけるようになりました。リヴァトレに在籍している時から続けているので、もう3年ほど継続しています。

びっしりと書き込まれた活動記録表

びっしりと書き込まれた活動記録表


あとは、千葉県匝瑳市での「イキカタサガシ」という1泊2日の生活体験プログラムに参加したことも、印象に残っています。

古民家に泊まり、漆喰を塗ったり、稲を植えたりする体験をしました。「こういう場所で生活する道もあるんだ」と生き方の選択肢が増えた感覚で、移住はしないまでも、働きながらでも自然の心地よさは取り入れていきたいな、と思えるようになりました。

未経験の職種へ転職
自分を客観視して、広がった選択肢

復帰のカタチとしては、転職を選びました。活動にあたっては、飯田橋のハローワークにある「U-35」という、35歳以下を対象とした相談窓口をフル活用しました。

無料で専任のキャリアアドバイザーがついてくれて、職歴を踏まえた求人を提案してくださったり、講座を紹介していただいたりと、リヴァトレと並行して通っていたのです。

最初は、IT業界以外のところで、何か物を作ることに携われないかと探してみました。しかし、休日が少なかったり、給与が低かったりと、未経験では勤務条件が厳しいのが現実で。

改めて働くうえで大事にしたいことを考えたときに、休日がどのぐらい取れるのか、基本給はいくらなのか、通勤時間はどのくらいなのか、というリアルな条件が大切だと気づき、経験者として入社できるIT業界を視野に入れ始めました。

ハローワークで受けた性格診断では、まさかの営業職が適職という結果が出て。「なんとなく厳しそうで嫌だな」と思っていたのですが、アドバイザーの方から「合うと思うよ。食わず嫌いせずに、まずやってみてもいいんじゃない?」と背中を押されました。

休職前の自分だったら、自己否定から入ってネガティブに捉えていたかもしれません。けれどその時は、自分の中に天使と悪魔がいる感覚で、「もしかしたらできるんじゃない?」と、認知行動療法で学んだことを生かして、客観視できる自分もいました。そうして、視野を広げることができたのだと思います。

結果的にIT業界の営業職(一般枠・クローズ就労)を選び、転職活動を終えて、リヴァトレを卒業しました。

セルフケアを実践するも、
再び上司との人間関係に怪しい影が

いざ働き始めると、やっぱり大変でした。リヴァトレでもできるだけ長い時間通所をしたり、自分で通勤訓練をしたりしていましたが、仕事の責任感や人間関係、通勤のストレスなど、かかる負荷は全く違っていて。

だから意識的にハードルを下げて、「とりあえず朝、会社に行けたら100点」と自分に言い聞かせていました。

周囲は未経験の私に優しく仕事を教えてくれ、学んだセルフケアを実践しながら、気づけば1年半が経過。再び、怪しい波が襲ってきたのです。

仕事の負荷が上がってきたタイミングで、上司との人間関係に悩まされることになりました。新人という枠を外れたからなのか、当たりがだんだんきつくなってきて、かつてのトラウマが脳裏によぎりました。

頭が重く、胃腸の調子が悪くて、病院に行ってもはっきりとした診断はつかなかったため、これは精神的なものだと確信しました。

結果的に今回は休職に至らず、持ちこたえることができました。一番の大きな変化は、周りの人へ「相談」ができたことです。

社会人になりたての頃は、「会社の人とは繋がりたくない」と心を閉ざしていましたが、リヴァトレでの経験を経て、人との繋がりの大切さを学んでいました。そのため、転職当初から社内のチャットツールやランチを通じて、他部署の人ともコミュニケーションを大切に築いていたのです。

人事に相談し、上司を交えた面談をセッティングしてもらいましたが、結果として、その上司の対応が変わることはありませんでした。人は変えられないと割り切った私は、退職の相談をしました。

すると数日後、会社から意外な呼び出しを受けて。「これまでの経歴と適性を見て、部署を異動しないか」という打診でした。結果として、私は営業からエンジニアへと、ファーストキャリアの職種に戻る形で、社内に残ることになったのです。

異動したことで、元の上司とは「上司と部下」から「プロジェクトマネージャーとエンジニア」という関係に変わりました。職種としての適度な距離感が生まれたことで、もともと一緒に働いていて相手の性質を理解している分、むしろ仕事が進めやすくなったとまで思えています。

「辛いことはずっと続くわけじゃない」
自分と向き合いながら、積み重ねる日々

振り返れば、休職する前の私は「とにかく突き進むしかない。止まったら終わりだ」と思い込んでいました。

けれど今は、「一回止まって、自分と向き合って良かった」と思えています。

以前は「働くなら限界まで頑張るのが当たり前」だと思っていました。しかし、今の私の優先順位のトップは、何があっても「自分自身の健康」です。

あとは、人とのつながりも大事にするようになりました。仕事だけではなくて、プライベートでも、ずっと会っていなかった同級生に連絡をしてみたり、誘われたらまず行ってみたり。

それでも嫌なことは日々どうしてもあるもの。そんな時は、日記アプリや手帳に書きなぐる。たまに見返して、「辛いことはずっと続くわけじゃない」と思いながら、好きなセルフケアを日々取り入れ、毎日を過ごしています。

笑顔を交えながらお話しするニシノさん

笑顔を交えながらお話しするニシノさん

リヴァトレへの問い合わせに迷われている方へ、ニシノさんからのメッセージ

リワークや就労移行という名前を聞くと身構えてしまうかもしれませんが、健康的な生活を送るためのプログラムから、疾病との向き合い方、その先のキャリアまで、自分のステージに合わせたカリキュラムが幅広く用意されています。

いきなり全部をやるのではなく、自分のペースで取り組む内容を選ぶことができるので、まずは一番参加しやすい「身体を動かす」「外に出てみる」といった、自然や人と無理なく触れ合うことから始めてみてください。それだけでもきっといい経験になるはずです。

ただ本当につらい時って、動くことすらできないし、誰かと話すことも難しいと思います。でも自分がギリギリの経験をしたからこそ、誰か一人だけにでもいいから、あなたの辛さを吐き出してほしいなと思います。一人で抱え込まないでください

ライター:黒木さん 編集:菅野

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休職・離職を、自分を見つめ直すきっかけに

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対人コミュニケーションやストレス対処法など様々なプログラムを通して、復帰に向けた準備ができるサービスです。

株式会社リヴァが運営するリワーク(就労移行支援)サービス『リヴァトレ』のスローガンは、「戻ろう、ではなく、進もう。」です。

ただ「戻る」のではなく、「働き方・生き方を見つめ直し、納得感をもって一歩踏み出していただく支援」を大切にしています。

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